守屋賞について
2017年度の「守屋賞」の募集を開始しました。詳しくは、下記要項をご覧ください。
[守屋賞募集要項]
 守屋賞は、長年刑事裁判や少年審判に携わってきた元裁判官の守屋克彦氏が資金を提供して創設したNPO法人「刑事司法及び少年司法に関する教育・学術研究推進センター」(略称「刑事・少年司法研究センター」〈ERCJ〉)が、刑事司法、少年司法の実務と理論の発展のために設けた賞です。
 賞は、大きく二つの領域にわけられます。
「守屋研究奨励賞」
 若手研究者などの刑事司法、少年司法にかんする研究活動、出版活動を奨励・助成することを目的として設けました。賞の対象は、@当該研究がそれ自体として出版に適していると判断されるもの、Aそれ自体としてはいまだ出版に適していないが、追加的研究をすることによって、最長3年以内に単行本化が見込まれるもの、Bすでに出版されたものであるが、さらに、今後の発展が期待されるもの、のいずれかに該当するものです。
「守屋賞」
 刑事司法と少年司法の理論活動、実践活動等(教育活動、市民活動を含む)の領域における貢献が顕著であると判断される業績に対して顕彰します。主として、その年に特に注目される業績が対象となりますが、これまでに積み重ねられた業績が対象になることもあります。
「守屋研究奨励賞」、「守屋賞」受賞者には、正賞(盾)と副賞(賞金)を贈呈します。
※「守屋研究奨励賞」「守屋賞」は、(株)日本評論社の協力を得て運営します。
【応募要領】
応募期間:本年度は、2017年10月12日(木)必着とします。
応募方法:「守屋研究奨励賞」、「守屋賞」のいずれであるかを特定して、対象となりうると考える業績を推薦理由とともに、日本評論社内「刑事・少年司法研究センター」事務所に郵便またはファックスで送付してください。業績が大部の場合には、その要旨で構いません。また候補の業績については、他薦、自薦を問いません。
賞の選定:「刑事・少年司法研究センター」理事会において行います。
賞の対象業績の発表:「守屋研究奨励賞」は月刊「法律時報」(日本評論社刊行)誌上に公表します。「守屋賞」は月刊「法学セミナー」(日本評論社刊行)誌上に公表します。
表彰式:本法人主催の講演会(2017年12月17日(日)予定)の際に行います。
この賞についての問い合わせは、下記のセンター事務所で受け付けます。
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3丁目12番4号 (株)日本評論社内
Tel.03-6744-0353 Fax.03-6744-0354
これまでの受賞者
2013年度
第1回守屋賞 受賞者
  堀川 惠子 氏
 
受賞対象業績: 『死刑の基準――「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社、2009年)
  『裁かれた命――死刑囚から届いた手紙』(講談社、2010年)
  『永山則夫――封印された鑑定記録』(岩波書店、2013年)
受賞理由: 死刑問題について、丹念な取材活動を行い、3冊の書籍としてまとめ、広く日本の死刑制度への問題提起と啓蒙を行っている。
  山田 悦子 氏
 
受賞理由: えん罪・甲山事件の当事者として、無罪確定後も日本の刑事司法の問題点の指摘、改革すべき点を著書、講演活動、研究会などを通じて精力的に啓蒙活動を行っている。
2014年度
第2回守屋賞 受賞者
  片山 徒有 氏
 
受賞理由: 犯罪被害の当事者として、「被害者等通知制度」を導入するきっかけを作り、犯罪被害者対応の制度改革の先駆者的な役割を果たされた。また、その後も、バランスのとれた刑事司法を求めて、被害者の視点を正しく組み入れるための努力を持続的かつ建設的に続けられている。
  周防 正行 氏
 
受賞理由: 監督作品『それでもボクはやってない』によって、刑事司法制度の改革の必要性を訴えた。また、「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員として、「取り調べの全面可視化」「証拠の全面開示」「人質司法を改善すること」を主張するとともに、その審議の状況を発表されている。
2014年度
第1回守屋研究奨励賞 受賞者
  岡邊 健 氏
 
受賞対象業績: 『現代日本の少年非行――その発生態様と関連要因に関する実証的研究』(現代人文社、2013年)
受賞理由: 著書において、刑事司法システムにおいては、可能な限り確度の高いエビデンスに基づいて政策決定がなされるべきであるのに、確実な情報や不正確な認識が信じられているのではないか、という問題意識の下に、少年非行の発生態様や非行関連要因などを、公式データを駆使して客観的な視点を確立しようとする研究の出発を示した。
  武内 謙治 氏
 
受賞対象業績: 『少年司法における保護の構造――適正手続・成長発達権保障と少年司法改革の展望』(日本評論社、2014年)
受賞理由: 著書において、少年法について、現在の問題状況の全体的な見取り図を素描し、少年保護のあり方の根本的な問題である少年の処遇や身体拘束処分に関係する問題、少年保護手続き、とりわけ少年審判手続の適正手続保障の問題、さらには少年保護と緊張関係に立つ裁判員裁判と検察官送致、刑事裁判のあり方にまで思索の枠を広げた。
  本庄 武 氏
 
受賞対象業績: 『少年に対する刑事処分』(現代人文社、2014年)
受賞理由: 著書において、少年の刑事事件の量刑の領域に踏み込み、基礎理論としての「少年の刑事責任のあり方」、「家庭裁判所の逆送決定と刑事裁判所からの移送」、「少年に対する刑事処分のあり方」「少年に対する死刑の問題」、さらに厳罰化からの反省期に入ったとみられるアメリカの判例法を踏まえて、日本においても少年に対する適正な刑事処分のあり方を考えるべきだとする問題を提起した。
2015年度
第3回守屋賞 受賞者
  毛利 甚八 氏
 
受賞理由: 漫画『家栽の人』の原作から始まり、生涯を通して、少年司法の理念を問い続け、実践においてそれを追求されようとした業績は、少年司法の文化の向上のために、余人では果たし得ない貴重な貢献をされたものとして讃えます。
  田口 真義 氏
 
受賞理由: 裁判員経験者として、裁判員経験者の交流の場「Lay Judge Community Club〜裁判員経験者によるコミュニティ〜」を立ち上げ、裁判員経験者の体験を基にした編著書『裁判員のあたまの中――14人のはじめて物語』(現代人文社、2013年)の出版やその他刑事司法領域に関わる継続的な活動を行う等、刑事司法の文化の向上に寄与された業績を讃えます。
  特定非営利活動法人監獄人権センター
 
受賞理由: 刑務所、拘置所等刑事施設の実態を把握し、制度の問題点を指摘し、改善の提案を行う等、刑罰の執行面の改善や人権の確保に営々として取り組んだ20年の業績を讃えます。
  季刊刑事弁護(現代人文社)
 
受賞理由: 当番弁護士の創設に始まる被疑者国選弁護制度・少年審判への国選付添人の実現などの人権の擁護と伸張、取り調べの録音・録画の実施や証拠開示範囲の拡張などの捜査方法の改善、冤罪の予防や再審門戸の開放など、裁判員裁判の開始も伴って、山積する刑事司法・少年審判の課題に取り組む弁護士や研究者の座右の誌としての位置を確立するにいたった20年の業績を讃えます。
2015年度
第2回守屋研究奨励賞 受賞者
  竹原 幸太 氏(東北公益文科大学)
 
受賞対象業績: 『菊池俊諦の児童保護・児童福祉思想に関する研究――戦前・戦中・戦後の軌跡と現代児童福祉法制への継承』早稲田大学モノグラフ117(早稲田大学出版部、2015年)
受賞理由: 著書において、児童保護事業に携わった菊池俊諦の人と思想を、広範囲に収集した資料をもとに、的確な分析・総合を行いその成果をまとめました。児童福祉・少年司法の理念に関わる基礎的な研究であり、さらなる研究の展開が期待されます。
  廣末 登 氏(NPO法人市民塾21/CDA)
 
受賞対象業績: 『若者はなぜヤクザになったのか――暴力団加入要因の研究』(ハーベスト社、2014年)
受賞理由: 著書において、元暴力団構成員のライフヒストリーを、回想的に、物語形式で、主観的な視座から聞き取るという困難な調査を行い、これを社会学的視座から分析・検討しています。とかく、上滑りになりやすい暴力団調査において、反構造化面接調査というインタビューに基づいた精緻かつ慎重な研究であり、余人の追従を許さない力作として、今後が期待されます。
  斎藤 司 氏(龍谷大学)
 
受賞対象業績: 『公正な刑事手続と証拠開示請求権』(法律文化社、2015年)
受賞理由: 著書において、現状の捜査側の一極的な証拠収集手続であるからこそ、被疑者・被告人側の主体的な手続への関与によって、証拠収集や開示に生じうる偏りを是正する必要があり、その前提として、原則的全面開示が必要であると論じています。大正刑事訴訟法以前の我が国の職権主義的な法制や同じく職権主義を採用しているドイツ法制までを渉猟し、この分野に対する新たな視点を提供したものと評価されており、今後が期待されます。
2016年度
第4回守屋賞 受賞者
  桜井 昌司 氏(布川事件当事者)
 
受賞理由: 布川事件の当事者であるご自身の経験から、同じような苦しみを受けている人々に力を貸そうと心がけられ、仮釈放後、著書『獄中詩集 壁のうた―― 免罪布川事件 無実の二十九年・魂の記録』(高文研、2001年、CD付きで2011年再刊)を刊行されるなど、冤罪を訴える活動の支援や取調べの可視化を求める活動に取り組まれています。この国から冤罪をなくすことを願っての活動のエネルギーは、この国の刑事司法をめぐる文化に活力を与えるものです。
  佐藤 大介 氏(共同通信社記者)
 
受賞対象業績: 『ドキュメント死刑に直面する人たち――肉声から見た実態』(岩波書店、2016年)
受賞理由: 著書では、日本では死刑制度についてその実態がほとんど明らかにされておらず、死刑制度賛否の議論も空転しやすいという現状に問題意識を持ち、様々な壁に突き当たりながらも広範な関係者へ取材を試みています。死刑を考える上での確かな情報源と正確な視点を与えるという点で、類書に抜きんでたドキュメンタリー作品です。
2016年度
第3回守屋研究奨励賞 受賞者
  丸山 泰弘 氏(立正大学)
 
受賞対象業績: 『刑事司法における薬物依存治療プログラムの意義――「回復」をめぐる権利と義務』(2015年、日本評論社)
受賞理由: 覚せい剤取締法違反事件は、その捜査と再犯防止を名目に、警察を代表とする国の権力が強化された分野です。一方で、近年では、再犯防止のための治療的プログラムにも手が伸ばされるようになってきました。著書は、このような権力の介入と回復者の人権との間に矛盾はないのか、国の治療目的の介入が無限定な権力の行使として保安処分化することはないのかという問題について、日米の薬物対策を比較検討しながら、あるべき姿を考察しています。今後の研究の発展に期待します。
  深谷 裕 氏(北九州市立大学)
 
受賞対象業績: 『加害者家族のライフストーリー ――日常性の喪失と再構築』(法律文化社、2016年)
受賞理由: 著書は、犯罪の加害者家族に関するわが国初の学問的研究成果といえます。インタビューを通じて加害者家族の経験を調査し、加害者家族の生活および他者との関係性を、二項対立的な「被害対加害」、「善対悪」という図式ではなく、「日常性の崩壊と再構築のプロセス」という枠組みでとらえ直し、社会的役割の変容と日常性の喪失との関連性において検討しています。今後の研究の発展に期待します。
   
 
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